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STORY

英語との歩み

岸美恵子が英語に興味を持ったきっかけから、学生時代の学び方、通訳・翻訳の仕事、個人指導を続けてきた現在までをご紹介します。特別な英語教育や長期留学ではなく、日本で学び続け、実務と指導の経験を積み重ねてきました。

01

CHILDHOOD

シンデレラの絵本と、西洋文化への憧れ。

西洋文学との出会いを表す、絵本とレコードの水彩イラスト
物語への憧れが、英語への入口でした。

英語への入口は、幼い頃に出会った『シンデレラ』の絵本でした。小学生になるとギリシャ神話から西洋文学へ興味が広がり、高校までたくさんの本を読みました。

子ども向けの英語教室がまだ少ない時代で、英語を習っていたわけではありません。友人がABCの歌を歌う姿を見て、「すごいな」と思っていたくらいです。だからこそ、中学校で英語の授業が始まったときは、本当にうれしかったのを覚えています。

ビートルズなどの歌詞を覚え、意味を調べ、高校・大学では好きだった作品を原文で読むようになりました。英語は最初から、成績のためだけの教科ではなく、知らない世界へ近づくための趣味でもありました。

02

STUDENT YEARS

覚えるのが苦手だったから、丸暗記をしなかった。

辞書とノート、音読練習用のカセットが並ぶ学生時代の英語学習風景
声に出し、辞書を読み込み、楽しみながら一つずつ。

中学・高校では、学習塾にも英会話学校にも通いませんでした。授業を復習し、問題集を解く、ごく普通の学習です。ただ一つ、していなかったことがあります。文章を丸ごと暗記することです。

記憶する勉強が得意でも好きでもなかった代わりに、教科書の英文を、発音に気をつけながら何度も大きな声で読みました。中学では中の上くらいだった成績が、高校で少しずつ伸び、卒業間近に初めて学年一位になりました。

大学では英語語学とアメリカ社会学を専攻し、ESSで同じ志を持つ仲間と学びました。知らない単語を調べるときは、一つの訳だけで終わらず、例文や派生語まで辞書を読み込む。一方で、辞書を使わず前後から意味を考える。すぐに点数へ結びつかなくても、後から英語力の土台になる学びを、楽しみながら続けていました。

03

INTERPRETING & TRANSLATION

偶然の通訳から、ことばの職人へ。

通訳・翻訳の仕事を象徴する辞書と技術図面の水彩イラスト
ことばと、その背景にある知識を積み重ねる。

大学のゼミの先生から、市の国際イベントへ通訳を派遣してほしいという依頼があり、アルバイトで参加したことが仕事の始まりです。そこで知り合ったタコマ市商工会議所会長夫妻に招かれ、春休みに約一か月ホームステイをしました。これが唯一の海外留学らしい経験です。

その後、先生の紹介で家庭教師をしていたご家庭との縁から、地元企業の海外事業部へ就職。さらに翻訳専門会社で、本格的に翻訳の仕事を始めました。英訳では工業系のマニュアルや図面、和訳では契約書を数多く扱い、ネット検索もない時代に、専門用語と背景知識を一つずつ身につけました。

その知識は、技術研修、工場見学、技術製品のマーケティングなどの通訳で強みになりました。テレビ局のロケ、海外ブランドの日本出店、海上保安庁での船舶事故やオイル漏れの事情聴取にも携わり、その後は大手メーカーの専属翻訳・通訳を十年間務めました。

華やかに見える通訳・翻訳も、実際は、今日より明日、少しでも正確でよい仕事を目指して積み重ねる、職人のような仕事です。

04

TEACHING

頼まれたご縁を、ほとんど断らなかった。

一対一の学びを表す、二人分のノートがある机の水彩イラスト
目の前の一人と、同じ英文を見つめる時間。

中高生へ教え始めたのも大学時代でした。知人から英語の家庭教師を頼まれ、英語を教えることが好きだったため、その後も続けました。

大手メーカーで専属翻訳・通訳をしていた期間を除き、生徒が一人、二人だけの時期にも個人レッスンを続けてきました。新しい生徒さんの多くは、卒業した生徒さんからの紹介です。「これもご縁」と思い、依頼を受けたときは、ほとんど断ることなく向き合ってきました。

MESSAGE

メッセージ

英語を頑張ってきた、あなたへ。

単語カードと分断された英文が並ぶ、英語学習のつまずきを表した水彩イラスト

個人塾で生徒さんたちと一対一で向き合っていると、英語につまずく理由は、努力不足ではないことに気づきます。

小さい頃から英会話を習い、受験のための塾にも通ってきた。それでも高校の授業や模試が急に難しくなり、中学の頃には考えられなかった点数を取って、戸惑ってしまう子が少なくありません。

それまで役に立っていた「丸暗記」が、複雑な英文では通用しなくなるからです。決まった英文は言えても、少し形が変わるとわからない。単語を一つずつ日本語にしても、文全体の意味がつながらない。

長年の指導で見えてきた、四つのつまずき

  1. 01単語の綴りと音の関係がわからず、覚えられない
  2. 02文章ごと丸暗記しようとする
  3. 03基本的な文法を理解しないまま進んでいる
  4. 04一つの英単語を、特定の一つの日本語訳だけで捉える

共通しているのは、「英語は暗記する教科」という認識です。

その子が積み重ねてきた努力を、
「わかる力」へつなぎ直したい。

丸暗記は、まる忘れ。

EPISODE

生徒との時間

いつの間にか、笑顔になっていた。

二冊のノートと寄り添う椅子が、生徒の小さな変化を表す水彩イラスト

努力をしていても、なかなか点数に表れない時間があります。成績だけを見ていると、投げ出したくなることもあるでしょう。

けれど、英語への小さな好奇心や楽しみを見つけられたら、自分が努力していることさえ忘れて続けられることがあります。そしてある時、突然「わかるようになった。英語って、そんなに難しくない」と感じる瞬間が訪れます。

英語が嫌いで、私にも反抗的な態度を見せていた生徒さんたちがいました。それでもレッスンを辞めず、努力を続けてくれました。ある日、いつの間にかレッスン中に笑顔になっていることに気づいたのです。

そのときのうれしかった気持ちは、
今も忘れられません。

FUTURE

未来への願い

最後に身につけてほしいのは、自分を信じる力です。

つまずいたときは、決してあきらめず、少し簡単に感じるところまで戻ってください。短い時間でも、毎日何度か英語に触れる。すぐに変化が見えなくても、基礎からの積み上げは、ある時から力になって表れ始めます。

実力が伸びたことに気づくと、生徒さんは自信を持ち、自分から学び始めます。「やらされる勉強」から、「わかることが楽しいから続ける学び」へ変わっていきます。

英語で努力し、成し遂げたという自負は、ほかの教科や、その先の人生にもつながります。自分の力を信じ、未来の「なりたい自分」へ進んでほしい。それが、長く生徒さんたちと向き合ってきた私の願いです。

WORLD

広がる世界

「英語がわかる」とは、英語で会話ができることだけではありません。

01

LANGUAGE

ことばの世界

日本語とは違う英語の仕組みに触れると、発見や驚きが生まれます。英語と比べることで、普段は意識しなかった日本語の面白さにも気づきます。

02

INFORMATION

情報の世界

英語がわかると、世界中で発信される膨大な情報へ直接アクセスできます。専門分野を深く学び、自分から発信するための力にもなります。

03

PEOPLE & CULTURE

人と文化の世界

異なる背景を持つ人、小説や映画の原文、新しい文化との出会い。小さなカルチャーショックを重ねながら、共感と多角的な視点が育ちます。

この世界は、点数のように誰かから見えるものではありません。
自分で触れ、驚き、心が動いたときに、初めて実感できるものです。

PROFILE

プロフィール

岸イングリッシュメソッド主宰 岸美恵子

岸 美恵子

KISHI MIEKO

  • 通訳・翻訳歴40年
  • 英語指導歴40年
  • 指導形態中高生向け個人塾
  • 海外経験長期留学経験なし

長期留学の経験を持たず、日本にいながら英語を学び、通訳・翻訳の実務に携わってきました。そのかたわら、中高生向けの個人塾で、一人ひとりのつまずきと向き合い続けています。

「留学したかどうか」ではなく、英語をどのように理解し、使える形へ積み上げるかが大切。その考えを、長年の実務と指導の両方から伝えています。

PARENTS

保護者の方へ

努力の跡が残るノートと見守る気持ちを表す、夕暮れの学習机の水彩イラスト

もしお子さんが英語につまずき、苦しんでいるとしたら、いちばんに願うのは、その問題が解消され、努力が少しずつ実を結び、その後の成長へつながることではないでしょうか。

学校の点数や英検の合格は、大切な評価基準の一つです。ただ、それだけが目標になると、子どもたちは目標達成の効率に集中し、基礎から理解するよりも、丸暗記でその場を乗り切ろうとすることがあります。

長い時間を暗記に費やしても、忘れてしまえば、本人が抱えていた問題は残ったままです。

まずは成績という結果よりも、
お子さんが努力している姿に気づいたとき、
そのことを評価してあげてください。

自分の努力を見てもらえたという実感は、次の一歩を踏み出す力になります。理解する喜びを一つずつ積み重ねながら、その子自身の成長へつなげていけたらと思います。

岸 美恵子